2022-01-01から1年間の記事一覧

年末の詩

今日という日にむかし話を、 今日という日にむかし話をおくろう。 いつかおもいだすとき、わたしは だれかの人生の登場人物になれているだろうか。 いつかおもいだすとき、それは きっと、極彩色。 今日という日を、むかし話にしよう。 世界は、消えてしまう…

ボクたちはみんな大人になれなかった

用事があって東京に深夜バスでやってきた朝に観た。原作の小説が販売されるとともにティザーが公開され「昔好きだった人をSNSで見つけてしまったことはありますか?」の文字に身震いしたのを思い出す。 映画を通して話は過去に行ったり来たりを繰り返す。そ…

ぼのぼのでいうところの

そう。ぼのぼのでいうところの「もうダメだ~」になる瞬間がある。今がそれだが、こういうのはよくあることで。3年前もこうだったし半年前もこうだったし先月も同じだった。先週も。足元はグラグラしていて不安定。よりかかる何かがないと倒れてしまうし、…

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ものすごくうるさくてありえないほど近い、ぼくの心臓。 学生のころに授業で観たきりだったのだけれど、アマプラで見かけて再視聴しました。 しゃべらないけど話を聞いてくれる人の存在ってめちゃくちゃでかいよね、人は誰かに話すことで気持ちの整理をして…

ハケンアニメ!を観たよのはなし

16対9くらいの四角がある。まっしろな、四角。最初はここから。この中で、何が起これば楽しいかを考える。何が起これば、画面の前にいる人が目を向けてくれて、どこかにいる誰かの胸に刺さるかを、考える。そうして、誰にも言えないことを抱えた君が、誰にも…

罪の声

深淵の住人たち。あれから世界は、少しでもあなたがたの味方になりえているだろうか。 今度の小栗旬は記者!やっぱりなんか大変そうにしてる小栗旬好き。野木亜紀子と星野源は相性バツグンやし、メガホンは花束みたいな恋をした、そしてカルテットでも監督回…

青の帰り道

戻れない場所。戻れない時間。あの頃はよかったなあって思い出す瞬間があって、懐かしくなるとともに今との違いに絶望を覚えるわたしたち。鮮やかだった青は、大人になるにつれくすんでゆく。今も昔もまっすぐ続いているのは、あの日の帰り道だけだ。 予告も…

スターフィッシュ

大好きな人が死んでしまったら、ぼくの世界も滅亡してしまうだろうか。へこんだ枕も、排水溝につまった髪の毛も、買い置きされたカップ麺も。あなたがいた証はそこかしこに残っているのに、あなただけがどこにも見当たらない。人間が滅べばいいと思ってしま…

パンズ・ラビリンス

信じたものが、神様でいいよ。信じたものが神様でいいなら最後まで信じさせて。 神様なんていないなら、祈りの作法なんて最初から教えないで。魔法なんて使えないなら、呪文の言葉なんてこの口から出てこないで。 人生はおとぎ話でいい。だってわたしたちは…

パターソン

蜜蜂と遠雷で明石が言っていた、生活者としての音楽を奏でたい。パターソンがこの先どうなるかは分からないし、彼が明石ほどの想いを創作に持ち合わせているかというと正直分かりかねるが、パターソンの詩は、きっと、生活者としてのそれなんだろうと思う。 …

蜜蜂と遠雷

言葉以外の何かで語り合うことのできる人々のことが、ずっとずっとうらやましかった。世界はすべて、音楽でできているのだと、そのことの本当の意味を、全身で理解することのできる人になりたかった。 雨は、心みたいだ。ときには激しく、ときには優しく、悲…

花と雨

リアルなストリートのことはよくわからんが、ただ、思う、それがてめーのリアルなんか?本当に? 画はめちゃくちゃキレイ。カメラも好み。だからなんか起こるんとちゃうんかなってずっと期待してみてしまったが特になんも起こらんかった。と思うわたしはまだ…

A GHOST STORY

こんなに死にたくないと思ったのは初めてかもしれない。死ぬのが怖くないとは思わないが、死ぬことそのものよりも、その後の世界に残るほうが幾倍も怖い。 観る前からなんとなくものすごく芸術を感じる映画なのだろうなとは感じてたから、こんなこと思うのめ…

3月11日についての詩

わたしたち悲しいくらい、忘れるのが得意な生きものたち。ああ、あの日見た空の色は、何色だっけ。きみが着てた服の模様、どんなだっけ。あのとき、何を、言おうとしたんだっけ。 忘れちゃったな 忘れちゃった その忘れっぽさを 憎み その忘れっぽさに 救わ…

新橋駅前 洋菓子店にて #72時間

昔このあたりで仕事をしていた頃のことを話してくれる女性。仕事して、得たお金でお酒を飲んで、明日への活力にする、それがささやかな幸せ。 ささやかな幸せで、今日も人は働いている。 結婚30年、奥さんとつきあっていたときのことを話してくれる男性。息…

2月24日についての詩

ほしをみていた かぜのなかで そらはほのあかるく みえないものにかげをおとす なみをみつめる きみのひとみが ひかりをとらえて よどみをとりはらってゆく ぼくらの みらいは ただただ いろあざやかに ぼくらの たましいは きらきら はためく あなたの つめ…